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ぽつぽつと街灯が点き始めた公園。俺らは仕事帰りにフラッとデート。特に話すことなくボーッと歩いてたら名前が控え目に袖を引っ張ってきて歩みを止めた。
『伸二』
「おー?」
一点を見つめる視線の先を辿ってみると…
「ひゃ〜〜お盛んだね」
木々に隠れてカップルが性交中。本人達は隠れてるつもりだろうけど声抑えなきゃ意味ないよ。
「で、何?欲情シちゃった?」
『うん』
「珍しいな」
またちょいちょいと袖を引っ張っぱられた俺は彼女がどうされたいのかわかってる。
―――――ちゅっ…
グロスでテラつくエロい唇にキスしてやると物欲しそうな瞳を潤ませて見返してきた。俺はこのいかにも大人しそうな顔に潜む裏の顔を知ってる。
『伸二とセックスしたい』
「……イ〜ねぇ…。俺はえっちって言われるよりセックスって響きの方が好きなんだ」
『なにそれへんなの…』
====ちゅっちゅっ====
『へばらないでねオジサン』
「…言ってくれるね。覚えてろよ」