Straight To Video | ナノ
32
レオンと先ほど通った道を名前とクリスは辿っていた。クリスの部屋に戻りたい。彼女がそう望んだから。
こつん、こつんとよく躓く名前を支えて彼は時折声を掛けてみたが、彼女には殆ど届いていないようだった。
豹変振りには裏がある。緊急時に対応するためにも落ち着いたら彼はまた彼女をここへつれてくるつもりでいた。
「っあぁ、クソッ…」
『?』
クリスの手持ちの通信機に連絡が入る。
「すまない…先に部屋で、あ…」
『…クリスやジルの部屋でなら一人でも大丈夫です』
「部屋は○○×室、鍵に書いてあるから…場所はわかるか?」
『はい』
「…すぐに行く」
名前は部屋へ行くため彼に背を向け、気配が消えた頃に一人泣きながら歩みを進めた。
――――――――
「わかりましたよ、それらしき人。この方でよろしいですか?」
「すごい…間違いないわ。ありがとう!」
ジルは極僅かな情報を伝え駄目元で依頼してみたところ、名前の身元特定が奇跡的に、しかも短間で判明したためその資料を受け取りに来ていた。
「…彼女余程の重要人物だったんですか?」
「どうして?」
「すみません、口出しできる立場じゃないのはわかってるんですがね…なんで今更その記事を調べるのか気になりまして」
「記事…?」
「あれ?事故について調べてたんじゃないんですか?」
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