Straight To Video | ナノ

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移動の際、名前は外を歩くのは怖いということで二人は館内の連絡通路を通っていた。


『うわっ!?』

「っと、」

レオンがいなければ名前は何度転んでいたことだろうか。建物に入ると彼女は離れないよう彼を追うのに必死だった。さして人も多くなく、歩く速度もわりとゆっくりなのに、ほぼ寝たきりで過ごしていたせいで体力が減ったのか足がもたついてしまう。
また緊張感のある空気が喉を締め付けるようでどうにも居心地が悪い。

歩くに連れて武装した人とすれ違うことが増えてきた。


『…レオンさん、私が居るのは軍の施設ですか?』

「んー…まぁそうなるかな」

『ということはあなたは軍人さん…ですか?』

「いや、俺やクリスやジルも一時的にここにいるだけで軍人じゃない。俺はエージェント、彼らもそうだがバイオテロを専門に扱ってる。ここを経由して移動する組織は多いから…ってそんなこと説明されても困るか」

なにやらえらいことを聞いてしまった。ピンとこないし軽く混乱して名前は黙る。

「そう怖い顔するなよ」

笑って言ってのける彼だが一般人には想像もつかない世界だ。

「それとここは関係者以外立ち入り禁止だ。さっきいた場所もそう。君が怖がっている連中はまず入ってこれないから安心しな」


個室に案内され、ここで待つようにレオンは指示を出した。


「クリス達を呼んでくる」

『レオンさんありがとうございましたっ、あの…口…ごめんなさい』

ぬっと伸びてきたレオンの手に名前は咄嗟に肩を窄めたが、頭をポンポンと優しく撫でられただけ。
窺うように見上げるとクスリと笑われ、彼女も照れ笑いを浮かべて部屋を出る彼の背を見送った。



「レオン」

偶然にもレオンが部屋を出ると三人は居合わせた。


「クリス、ジル。名前なら中に居る、痛っ」

「ありがとう。…どうしたんだその口?」

「あぁ、気にしないでくれ。どうってことない。よくあることだ」

「そうか。…大変だったんだってな。ヘリが堕ちたんだって?」

「明日にはまたヘリで移動だ。まったく俺が何か乗ろうとするとすぐこれで困るね」

「気持ちはよくわかる。俺も何かと飛行系の乗り物には…」

「やめて二人とも、縁起でもない」


ジルの止めが入るとクリスは咳払いを一つ。


「とにかく無事で何よりだったよ。偶然こうして会えたことだし。それで、名前は何か話してくれたか?」

「…そうだな。しても当たり障りのない会話くらいだよ。ホームステイで△○に半年間居るとか…そのくらい」

「それ結構な情報じゃない?これで彼女が学生だってわかった。名前は自分のことを話したがらないの、だからまだ身元の確認ができてなくて…。私達もいつまでここにいるかわからないし、できるだけ情報を集めておきたかったから助かったわ」

「俺にはさっぱりだけど、お役に立てたならよかったよ」


互いの無事を願ってレオンと二人は別れた。

翌日珍しく彼の乗ったヘリは墜落することなく無事目的地に辿り着いたとか。


====Mark David Chapman====


全60ページ

All Title By Mindless Self Indulgence
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