刀装シリーズ | ナノ






一振りの槍の決意




『御手杵!早く体勢を立て直して!』





その言葉とともに襲いかかってきた敵は崩れ落ちていたーーー鯰尾がそれを切り捨てた。

すぐさま御手杵は体勢を立てなおし、鯰尾と背中合わせになる。辺りをぐるりと見渡す。

『ほとんどこっちに意識が向けられてんのか・・・鯰尾、俺たちでひきつけれるか?』

『勿論!どんだけ悪条件で行かされてたと思ってる?まあそれは、御手杵もだけど。こんな大所帯の連中との戦闘いつぶりかな・・・遅れをとらないようにねーーーもう、奪われるのはごめんだ』

自身より低い存在をちらりと見た。口調は軽快に聞こえるが横顔からその調子とかけ離れた表情しているの見た。怒りを必死に堪えていた。少し前の記憶が脳裏を掠めとるーーー余所見をしている場合ではない。視線を正面に戻す。変わらずにいる、囲まれたままだが、そろそろ此方に畳み掛けて潰すつもりのようだ。


向こう見える鶴丸達に合図を送った。反対方向には薬研達にがいるだろう。鯰尾が合図をだしてんだろ。中心になってしまった俺たちより、あいつらの周りには蹴散らして先に進めるくらいだ。

先に行け

鶴丸は何か言いたそうな表情をしたが、近くにいた小夜を引き連れて奥の方消えていった。鯰尾の方もうまくいったみたいだ。装備していた刀装達も臨戦体勢をとっている。


『後ろは任せた。派手に暴れてやるか』

『ああ!』


不利がどうしたーーーだからといって、このまま殺られるつもりはない。それは、仲間であるあいつらやあの子≠烽セ。



大きく息を吸う。

自身であるそれは強く握りしめた。



15/11/1

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