刀装シリーズ | ナノ






刀装兵はいつだって絶好調!


えいやー
えいやー

と、ひっこぬく〜

ちからをあわせてひっこぬくー!




埋まった。



最近、なにかと忙しい本丸。

第一から第四の部隊まで出たり入ったりせわしない。なんでもあれである、政府が何やら℃タ施したようで新たなる仲間を出迎えるため、忙しいのだとか。

もう本当に忙しい。

謎の里に行ったり城の地下から小判を根こそぎ回収したり新しい仲間が増えたり、めぐるましく環境は変わる。普段の出陣も兼ねて多忙を極めている。刀装兵も目を回りそう。

でも、謎の技術で演練のように自然回復するから色々大丈夫。疲労は蓄積していくから代わる代わる本丸全員で協力して色んなことをこなしていたんだがなー。宴会したりして息抜きはばっちりはしている。みんなご馳走分けてくれるから、なんだか肥えた気がする。


なんやかんや、有りながらもまた新たに新しい仲間も増えて落ち着いてきた本丸で、少しだけ浮かない顔を見せる江雪の姿を発見した。


刀装兵達は本丸の平和に尽力して取り組んでいる。江雪が穏やかにすごせなかったらなんとかしたくなるのが刀装兵のこころ!余計なお世話とも言うが、みんながみんなーとはうまくいかないけど見つけてしまったのなら気になってしまう。

歴史修正主義者達や第三勢力との戦いの日々。
歴史を守るため呼びおこし力を貸し戦う刀剣男士。
そうなんだけど、争いに心良く思わないこと抱く男士だっている。本丸でも何度かそのことで口論は起こったりもした。それぞれの価値観は大切にして和睦は済ませてあるし、みんななんだかんだ仲良くしてる。言い争った形跡も無い。

以前いたところを忘れることも出来ず、練度が低いままだといざという時に守りたいものを守れないと痛感していた江雪も、ここに来た初期に死に物狂いで最大値まで上げあとはのんびり隠居暮らしして畑の維持を積極的にしている。

それだけでなく本丸の警戒も兼ねているので、奇襲の多いこの本丸では江雪の存在は頼もしい。


うーん。

本丸に籠っていると体が鈍ってしまうから、太刀仲間の山伏の修行に付き合ったり。 必要があれば、回数は少ないものの出陣はしている。

・・・が、原因? 考えてもわからーん!もう直接聞いた方が早いかも?




もやもやそわそわしてたら、江雪付きの刀装兵が行動を起こしてきてくれた。

最近の環境の変化と、元々あったぽい出陣に対するすとれすが同時に蓄積されて江雪の様子がちょっぴりおかしい?たぶん、これくらい大丈夫だろうけど。口では言うもののきっちり刀剣としての責務を果たす江雪に、りふれっしゅさせたい!と申すので。


刀装兵達、ここに江雪労わりの会が創設した。 ちなみに労わりの該当者は本丸にいる刀剣全員なので刀装兵ねっとわーくで随時追加される! 出陣帰りの江雪をすぐに内番に誘うのあれなので、事前に審神者へお願いして明日は内番の日にしてもらった。朝起きたら江雪驚くぞー!


「・・・?」
「ん?江雪どうした?内番表なんか見て」

朝方、内番表を困惑したように見つめる江雪と、おそらく今日の出陣めんばーである鶴丸がいた。

「表の畑当番ところに私の名前が・・・間違っているのでしょうか?それと相手が空欄、いえ、別にそれは問題ではないですが」
「ああ、確かにーーー」

左手を腰に当て右手で顎をさすりながらふと、こちらに気づいたように顔を向ける鶴丸。数秒目が合ったまま、あーと事の経緯を察したみたい。 鶴丸と刀装兵のつきあいとても長い。そりゃもう長い。きっと以心伝心したに違いない。それに、鶴丸付きの刀装兵がいつもの定位置にいるし。

「どうやら、今日は内番で間違いないらしい。ほら、刀装兵達が道具を持ってきているようだ。落ち着いてきたとはいえ当分この状況が続くようだしなぁ。いいんじゃないか?」

「それでは、今日の内番の者に迷わ『しゃっーーーーーー!今日は第一部隊で出陣だ!』・・・大丈夫のようですね」

言いかける江雪の言葉をかき消すように、大きな声が本丸に響きわたる。続きは言わずとも、声の主の喜びようで迷惑ではないとわかる。声が大きいといさめる声も聞こえつつわいわいがやがやとした短刀達の喧騒が聞こえた。 それに苦笑混じりで穏やかな表情していた。いつもは内番とわかった時点でやすらいだ表情をする江雪。やはりちょっと様子が微妙に違う。

「遠くの方なのに、後藤の奴はりきっているな。さて、俺もそろそろ行こう・・・江雪、たまには息抜きも必要だろう?」

後ろ手にひらりとふり、門の所へ向かう鶴丸。最後に目があって、ふっと笑う。おお、あとは刀装兵に任せとけ!


「・・・内番服に着替えた方がいいですね・・道具は」

道具なら全部持って来たよと、本丸待機組の刀装兵達はずいっと見せる。ようやく江雪がこちらを見たので、みんなで江雪の当番の相手だとあぴーる。

「これは、賑やかですね。それと、いつも思うのですが・・・重くないですか?」

若干引き気味にも見えるが気にしなーい!



まあ、そんなわけで江雪と刀装兵は楽しく畑仕事をしている。


「何しているんですか・・・」

埋まる刀装兵を、ずぼっと慣れた手つきで引っこ抜いてくれたのは江雪左文字。刀装兵についた土をぱっぱと払いのけてくれる。土が取れたらそっと地面に降ろされた。流石、江雪左文字。これが和睦力?んー和睦関係ないか。 うむ。この前も埋まっていた気がするけど、刀装兵にとっては日常茶飯事!・・・埋まらない日もあるが、よくある事。丈が短いので土に埋まらないようにしたいものだ。内番に特化した刀装兵達なら、こんなのちょっちょいのちょいなのに!

「丈の問題では・・・いえ」

何か言いかける江雪。結局、言わなかった。




お昼の時間だよー!と、本丸の中から乱の声が聞こえてくる。お?もうそんな時間。

「休憩しましょうか」

そう思うと急にお腹空いてきたっ!朝からずっと働きつめだからだしな。そろそろ部隊もいくつか帰ってくる頃?



「それにしても、畑仕事は心を穏やかにします」

鍬を持ち耕した畑を見渡す姿に、刀装兵達はひっそりはいたっち。りふれっしゅはひとまず成功したようだ。 と、ひっそりしていたら急に持ち上げられぎょとした。

「どうやら、気を使わせてしまったようですね。貴方達に」

いーや、一瞬勝手なことしたから、怒られるかなっと思った。 吹き荒れるぶりざーと。遥か上から見下ろされる冷ややかな視線で審神者がよく正座させられ説教させられているの見たことがある。審神者は自業自得が多いから仕方ないけどな。


瞳を伏せ、そっと思っていることを吐き出すようにゆっくりと。

「・・・戦は嫌いです・・・強くなっても喜べません。戦うための力だと以前は思っていましたが・・・不思議ですね。刀として過ごした時と、人の身で過ごす時とはまた違う。この感情はなんというのでしょうか・・・ですが、おのずとわかる時が来るのでしょう」

江雪はもう一度ぐるりと本丸を見渡す。 道具を邪魔にならないところに寄せて、それから刀装兵達に言う。

「行きましょうか」



冬の快晴と澄みきった空気が気持ちいい。
ここは刀装兵が個性的でふりーだむなとある本丸。
その本丸の戦いの合間の日常のお話。



あ、今気づいた!毎回のごとくそのまま放置されてる江雪の長い髪を束ねるか!おらっ!刀装兵ども行くぞー!束ねないと髪の裾が汚れるよね。束ねようぜ江雪。


16/1/17

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