刀装シリーズ | ナノ






刀装兵は今回活躍しなかったぜ

「おっみやっげ!おっみやっげ!」

敵の大将の元へはそれてしまったが、僅かでも資材を回収し帰城中。


るんるん気分の秋田藤四郎。気分は最高潮?その声を聞いて肩の上に座る装備されていた軽歩兵もにんまりと楽しくなった。


今日は秋田藤四郎一振と刀装の投石兵(金装)一つが函館ヘ出陣。一振り出陣はこの本丸恒例だったりする。練度がそこそこになってきた頃合いに、練度の低い時代から少しずつ少しずつ高い時代へと上げていくのだ。もちろん危なくなれば即座に帰城。場合によっては援軍が来れるよう配置してある。なんでこんな恒例があるのかは一部の刀剣達が一人でにやっているうち他のみんなも・・・がきっかけ。この本丸の特殊な事情も関係してるが!

まあ、今はそれを置いといて。

そんなに危険ではない時代ではないとはいえ秋田が一人で出陣するのを、一部の藤四郎ぶらざーずもといお兄ちゃん意識の高い奴らが心配していた。薬研とか弟組はそこまで心配していなかった。でも、投石兵は五虎退に作った刀装。五虎退から秋田よろしくねと頼まれている。大丈夫。いざとなったら投石兵の岩石が唸る!任せとけー!・・・といっても最初の時代。刀装兵が活躍しちゃうと秋田の出番がなくなる。なので投石兵だけど投石しないようにしている。

だって、秋田は刀。
そして刀剣男士。
戦うべき使命を持っている。
己を振るいたいはず。

いつも素振りしているし。

あれ?刀装兵要らない?いーや身一つはやっぱり危ない。
何はともあれ帰城中。出陣は帰るまでが大事。油断は禁物・・・ドオンッ



豪快な音ともに敵が登場。


ええーまじかー。帰城中にこれは有り?

もしかしたら、ぶらざーずは本丸から見てる可能性あるから加勢しちゃう?おお、しゃーない一気に仕留めよう。ぶらざーず来たら、ぱぱ組のお説教があるやも。刀装兵も巻き込まれる。精鋭兵に怒られる。こういう時に限って現れる。帰り道くらい穏やかに帰してほしいもんだ。どっこらしょ、と秋田の肩の上から立ち上がり、飛び降りて十に分裂する。戦闘もーどに切り替え。手に持つ投石をぽんぽんしながら、狙い定めーーー

パキンッパキンッ

見えたのは秋田の真剣な表情と敵の刀が一つ残らず真っ二つになった姿。ぽかーんとする、刀装兵達に振り返りほんわか笑顔を浮かべる。ついた赤い液体をさっ振り落し鞘に収める姿。なんか誰かと仕草が一致した。そんな事より、いつの間に秋田こんなに強く!五虎退に帰城したら報告せねば!でも、あっという間の敵の退場、少しふくざつ。

「ーーーさあ、帰りましょう」

まあ、無事だからいっか!早く帰ろう。最後にはぷにんぐはあったけど、よかったよかった!
せかせか、刀装兵は秋田の肩へと元にいた位置へ戻る。

「お土産話・・・沢山出来たなあ!」

秋田は先ほどと変わらず、るんるん気分で帰城するのだった。



15/12/31

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