刀装シリーズ | ナノ






本丸で寝たり遊んだりもします

ここは刀装兵が個性的にフリーダムなとある本丸。

その本丸の戦いの合間の日常のお話。




ぽて、ぽて。
と、本丸内を移動中。

なかなか目的の場所につかないので、縁側の柱の隅で休憩することにした刀装兵。
なんで隅の方にいるかというと、刀装兵は小さいので周りへの配慮。いや隅にいなければ、たまに運が悪かったら吹っ飛ばされたりどえらい目に合うことがある。
刀装兵も気をつけているのだ!ちなみに、吹っ飛ばされた時は通りかかった刀剣達にないすきゃっちしてもらったので無事だった。しばらく、頭に装備してもらった。

休憩を終え、さて、また歩きはじめようと立ち上がる。・・・本丸は広い。刀装兵にとっても広い。ふうー。たまーに刀装兵、自分の小ささに落ちこむ。でも、それをわかってか本丸のみんなは背に乗せてくれる。そうだ!審神者も常に装備していて、投石兵におやつをぶんどられている。仲良い!

ここの刀剣は本丸内でも一緒に居てくれてるから、装備されてるみたいでそれは嬉しい。それに本丸も常に安全ではない。奇襲された時、刀剣の側にいるから刀装兵は装備として彼らを守れるからそれも嬉しい。刀装兵剥がれても、刀剣の破壊を阻止できるならいつでも頑張る!

項垂れて復活したら後ろからもふっとした感触が、後ろを振り返ると五虎退の虎がいた。ふんっふんっと言って、咥えられてブンと軽くぽすっと背中に乗っくれた。
え、びっくり。でも、やったー!

背中に飛び乗って頬擦りすると、虎の毛並みはもっふもっふしててとても気持ちいい。いい毛艶。この毛艶の良さ、五虎退はもちろん、刀剣達(意外も含む)がこっそりぶらっしんぐしてるので常にいい。眠ちゃいそう。でも、寝てはいけない。歌仙のところに行かねば・・・ーーー寝た。



刀装兵が目的を忘れて寝てしまった後、虎を探しに来た五虎退。

「あ、虎くん。どうしたんですか?・・・これ、えっーと歌仙さんの刀装・・・寝ちゃってる」


虎をみると、静かにと言っているようだ。
虎は背中で寝てても気にしてないので、そのまま静かに歩き歌仙の元に届けるとのこと

その姿に感慨深い。




初めてここの刀装兵達と出会った時は驚きばかりだった。

虎達はみな、その奇妙な刀装兵に警戒していて近づいてきたら吼えていた。しかも、かじったこともある。

来たばかりの五虎退は、大事な装備(しかも金装)に傷つけているところを発見してしまい、悲鳴をあげた。謝りまくっていたのでとても混乱していた。虎達は害意がなければ攻撃なんてしない、優しい仔達だった。その頃は、前にいた本丸のことを引きずっていたからそんなことになってしまったかもしれない。



ーーーかじられても刀装兵は平然としていて、むしろ虎が口を前足で押さえていた。硬かったらしい。

それを見て朗らかに笑うだけで虎の行動を気にしていない、この本丸の住人達とってたいした問題ではなかった。あの白い刀は、虎の口は大丈夫か?と心配してくれたくらいだ。審神者も怒ることなく、手入した方がいい!?と焦っていた。

その一件から虎と刀装兵が一緒にいることが増え。よく背中に乗っけて本丸内を巡回している。
その光景を小夜君のお兄さん曰く和睦です・・・と呟いていた。




それはいいとして。

そのことを考えると、こんなほんわかする光景が見れるくらいになったのは、僕も虎くんも馴染んだのだと嬉しく思った。




気持ち良さそうに眠る刀装兵を見て、五虎退はくすりと笑った。



15/10/12

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