刀装シリーズ | ナノ






どこでも刀装兵


三日月宗近が石切丸に連れられて立ち去るのを見計らい、そっーーーーと隠れていた。
こそっと着いてきていた刀装兵と赤眼達。大人しく留守番なんかしません。



この三日月は結構抜けてるところがあるから、山の鳥類達に協力を仰いでこそっりと着いていき、本丸の第一部隊の拾った資材の中に隠れ抜け出し今に至る。一つの刀装兵は、三日月の着物に玉状態になって隠れているが今の所バレていない。よっしゃー。


それにしても、にたにた笑ういかにも悪そうな審神者が三日月に触れていたのは腹正しかった。忍びこんだ一つの刀装兵のそれを通じて、三日月の不快感が伝わってきているから。刀装兵思わず、あの審神者の尻にぶっすりするところだった。赤眼達が珍しく止めてくれたので、なんとか抑えたが。


あらかじめ決めておいた作戦で本丸内での行動を開始する。部隊は二つ。残った刀装兵を隊長に、赤眼が隊員の構成。一部に反発されたが最終的に物理で黙らせた。たんこぶこさえた一部はムスッーーーと頬膨らませて納得していない様子。何か起こさないか細心の注意を払わないといけない。そして、初めての(三日月に)隠密作戦で、はしゃぎまくりの赤眼と紛れる銃兵にぺちんと叩く。遊びに来ているわけじゃないのだ。

色んな不安を抱きながら、刀装達の戦いが始まる。


・・・・・・赤眼も刀装兵もどっこいどっこいだったりする。


協力者候補との接触、証拠集め、闇堕ちしそうな刀剣男士と重傷者の人数把握。
それが自分達がしようとすること。

短時間で行えるかが勝負!きっと、審神者は三日月がなんとかするだろうから、自分達は三日月が審神者をどうにかした後に、どんな行動でも、取れるように御膳立てしておくのだ!
万が一、三日月が危なくなっても隠れている刀装兵が助けるだろう。


まずは、ここの刀装、妖精、馬、刀剣男士とはまた別の存在の彼らと接触を図る。
そんなのが役に立つのかと思わるかもしれないが、侮ることなかれ。いざとなれば小き者達の方が可笑しな行動をしても、ばれなかったり、案外彼らの方が冷静に判断し上手くことが進むのだ。
これは刀装兵の経験からなる作戦だった。しぶとく剥がれない刀装兵達だって、ちまちま経験は積んでいる。

この本丸内の地理を知らない自分達より、長くいるであろうこの者達の協力が断然動きやすくなるし。味方になれば円滑に事を進めることが出来るはずだ。・・・動けるかどうか無事であるかどうかが気がかりである。あと・・・もしもだが刀剣男士の鳴狐のお供の狐と、こんのすけは刀剣男士との意思疎通に協力してもらいたい。こちらは希望であるのであまり期待していない。ヘタすれば、敵対する事案が出るかもしれない。とにかく、候補者捜索だ。


暫くすると、ぴっーと合図のようなものが鳴る。近くに散らばっていた者はその場所へと集合した。

そこには幾つかの並の刀装が転がっていた。優しく起こすと、一つの刀装兵の姿へと形を変える。困惑したような並の刀装兵と警戒したような刀装兵。最初が肝心である。

代表として、小さな刀を横に置き話し合おうという態勢をとる。
敵意がないことを察してくれたのか、警戒を解いて困惑したままの相手の刀装兵達に自分達の目的を伝え始める。

結果、信用はしてもらえたみたいなので、馬小屋と鍛刀と手入の妖精達のいる場所へ連れてってもらえることとなった。これも、熱く魂に訴えかけるという思いが通じたのだろう。
自分達を作った審神者が見せてくれた、箱の中の動く暑苦しい男の絵がまた役に立つとは・・・。

刀装兵はまた一つ大切なことを学んだ。




赤眼達は、刀装兵達のあまりの迫力に押された相手の刀装兵達の様子に気づいていたが、またアレをやられるのは怖いので気づかないふりをした。

今でこそ妥協した関係を築けているが・・・まだそんな関係を築けていなかったころあの熱く迫ってくるようなアレをやられた時逃げまどった時のことを思い出しぶるりと身を震わせた。あの刀剣は、自分たちの関係をよきかな、とのたまっていたがふざけんなと攻撃したものだ。

あんな激しい話し合い?赤眼達はもうこりごりである。

三日月が石切丸とどう話そうかと思案していると時、刀装達は刀装達で何やらしでかそうとしていた。




どうなることやら。


15/8/16

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