殺意は遺伝する

月明かりさえ眩しくて
瞬く間に過ぎて行く雲に目を見張っては
蹌踉めく足を奮い立たせた

答えなんて不確かで虚しいばかり
支える手も減って
もう独りでは歩む事さえ出来なくなっていた

夜光虫の様な液晶を投げ捨てて
吐き気に悶えながら人目を気にする見苦しい僕を

誰が見付けてくれると言うのか

夜風に身を委ね何処か遠くへ
陽は昇り月は姿を強めていく

さぁ血を見たくないか

何度目にしても変わらぬ色に苛立ちを覚え
欲と傲慢の雄叫びを谺させ
また日常に帰っていく


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