○ムクツナ
「いつだって人は欲しがっているものを適切に与えられない。たとえば僕は僕だけの綱吉が欲しいけれど、そんなものはこの世界のどこにも転がっちゃいない。彼も彼で僕に何か望んでるみたいですけどね。どうしたって無理ですよ。第一彼の中で矛盾している」
「そう?他の世界では意外とうまく、」
「ナンセンス!」
茶化す白蘭を遮って骸は笑った。
「他の世界なんてね、知ったことじゃありません。僕らは僕らで立場も世界のルールも不変です。君のちんけなチートじゃどうしようもないくらいに、ね」
お互いが望んでいるものを常に与えられやしないんだけど、欠けてるものを補ったり満たしたりできるのはお互いだけなんじゃないかっていう。
それがどんなに辛かろうと寂しかろうと。
愛って難しいね!
2011/02/04 23:05
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