girltogirl

「誘拐メルト」様の夢主ちゃんシエルちゃんとうちのマギ夢主のコラボです。
諸事情により名前変換つけていません。
どちらもデフォルト名を使わせて頂いておりますのでご了承ください。
うちの→ナナミ

***

「……胸」
「……はい?」
「男の人って胸おっきい方が好きなのなんでなんだろうね」
「……え?」

宴のさなか、じいっとこちらの胸元を見つめながら言うナナミに、シエルはびくりと肩を揺らした。
心なしかナナミの目が据わっている。
ちらりその手にある杯を見れば、もう随分と少なくなっていた。
ちなみにその中身はお酒であることをシエルは知っている。

「……酔ってます?」
「んー、んふふ、酔ってないよ」

口調は随分しっかりしているが、その言葉はどれくらい信用できるのだろうか。
そっとお水を差し出せば、ありがとう、と存外しっかりした手で受け取ったのですこし安堵しながらちらりと周りを見渡してジャーファルの位置を確認した。
水を飲んでもなお次次酒を注ぐナナミに、そっと背を向けて、

――ガシッ

「ッ!?」
「何処行くのー?」
「ちょ、ナナミさ、」
「やーらかーい」
「う、ふえ、」

背を向けた途端、後ろから腰より少し上――もっと言うなら鳩尾辺りを両手でホールドされる。
少し立ち上がった格好のシエルに椅子に座ったままのナナミが抱きついているので当然と言えば当然だが、

「ナナミさん、手、」
「んん?」
「……あの、む、むねに、」
「……ああ、ここ胸か」

そうだよねー、柔らかいもんねー、と言いながら、その手を動かさない。
寧ろ軽くもむようになっているのだから、

「ナナミさん……! お、怒りますよ!?」
「……ごめんね」
「あ、いえ……」

少し力を込めて言えば、存外あっさり離れた手にほっと息を吐いて、それでも離れないナナミに首を傾げる。

「ナナミさん……?」
「んー」
「どうかしましたか?」
「……胸、」
「……」
「男の人って、大きい方が好きなんだよね」

そう言って、少しだけ手に力を込めて、するりとほどいた。
そして、ぐっと息をすって、

「まあ胸だけが色気じゃないけどね!? でも全体的に肉付きよくないしね?! 寧ろ筋肉だよ色気ないのは解ってんよ!」

ダンっと机を叩くナナミに、周りの視線が集まる。
が、それも一瞬の事で直ぐに他の喧騒に掻き消された事に安堵しながら、シエルは言葉を探した。

「えっと……誰かに何か……」
「あの浅黒剣術馬鹿呪う! なんかの門で足の小指ぶつけろ!」
「……」

その言葉が誰を指しているか解ってしまって、苦笑を零す。
ぶつぶつと呪詛を呟きながら酒を煽るナナミの手をそっとにぎって、

「大丈夫ですよ、ナナミさんは十分魅力的です」

柔らかく笑って言えば、ナナはしばらくぼうっとこちらを見て、そして握られた手を両手で握り返した。
酔いのせいでやや熱のこもった目がこちらを覗きこみながら、真剣な口調で言葉を紡ぐ。

「シーちゃん」
「はい」
「結婚しよう」
「何バカな事言ってるんですか」

シエルが何か言うよりも早く、少し上から呆れた声が降ってくる。
そちらを見れば、やはり呆れた様な目でナナミを見るジャーファルがいて、その反応にナナミは不満げに顔を顰めた。

「飲み過ぎですよ」
「そんなことないですー」
「ほら、シエルも困ってます」
「……シーちゃん」
「え、あ、あの、」

それでなくとも言いにくいのに、じいっと寂しげな表情で言われては、素直に頷く事も出来ない。
おろおろとしていれば、ジャーファルが息を吐いて、

「シエル、シンが呼んでいましたよ」
「え、」
「無視しちゃえ」
「ええ?!」
「ナナミ」
「……はぁい」

少し唇を尖らせてナナミはシエルの手を離す。
ごめんね、と小さく零された言葉に、ゆっくりと頷いて、

「大丈夫ですよ」

そう言って、頭を下げてシンドバッドの元へ向かう。
名残惜しそうにそれを見送って、ナナミはぐでんと机に突っ伏した。
その様にジャーファルは深い溜息を吐いて、

「ほら、ナナミ、部屋に戻りますよ」
「まだ飲むの」
「飲まないで下さい」
「……シーちゃんに迷惑かけるから?」
「は?」
「そーだよね、シーちゃんかわいーもんね、胸おっきいしね!!」

ふんっと顔をそむけて、杯に残っている酒を煽って、

「寝る」

がたり、と席を立つ。
そして、ぺしっとジャーファルの額を軽く、本当に軽く叩いて、

「ジャファのばーか」

そう言って、自室に向かって足を向けた。
しばらくそれを茫然と見送っていたが、その足取りがややふらついたのを見て、溜息混じりでその背中を追った。

girl to girl

天音さん宅のお子さん、シエルちゃんとコラボさせていただきましたー!
ずっとやりたいやりたいと思ってたのでやっとかけて嬉しいです!

シエルちゃんにセクハラしただけの小説ですね!
まじナナミ土下座しろお前、させたの私ですけどもね。
……すみませんでした、大変楽しかったです!

こういう女の子同士のくだらないやりとりが好きです。
がっつり恋愛語らせるのもなんなので、お互いの設定についても詳しい所にはあまり触れないで書いたのですが……シエルちゃんが、誰これ状態になっていそうでがくぶるです……!
シエルちゃん超可愛いんですよ……!
そしてナナミは超めんどくさい子になりましたね(笑)

そんなこんなで。
天音さん、シエルちゃん借りさせていただいてありがとうございます!
キャラ違ってたらすみません、こんな事言わない!等ありましたら遠慮なくどうぞ!

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