薄暗い部屋の中、俺は一人佇んでいた。
ココが一体どこなのかよくわからないが、どうやら俺一人らしい。
「……歩」
後ろから聞きなれた声がする。
そっと抱きしめられて、なんだか恥ずかしくなった。
「今日はお前に話しておかなきゃいけないことがあるんだ」
「なんだよ?」
いつもよりさらに声のトーンを落とし、なんだか言いにくそうにしている。
何か余程重要な話なんだろう。
「落ち着いて聞いてくれ、実は俺……宇宙人だったんだ」
「は!? はぃぃぃぃ!?」
なんだ!?
いきなり何をわけのわからんことを!?
「お、おい、まゆむら? お前、頭大丈夫か???」
「俺は、いつもどおりだ」
平然といつもの無表情で俺を見る。
前/ススム