眉薬 他

LoveSick


はぁ……吐く息は白く舞い上がり、凍て付く寒空へと消えてゆく。

目の前にはキラキラと光るイルミネーション。

行き交うカップル達は楽しそうに自分の前を通り過ぎてゆく。

(遅い)

そんなカップル達の姿を横目で睨みつけながら、薬師寺はイライラと本日何度目かの時間のチェック。

同じ寮内の同じ部屋に居るにもかかわらず、「待ち合わせをしよう」と、言い出したのは自分だった。

ココのところ忙しくてろくにプレゼントを買いに行けなかったから、先に出てそれを用意するためでもあった。

しかし、悩みに悩んでプレゼントを買い待ち合わせ場所に来て見ると相方の姿は無く、それ以来かれこれ一時間以上もこうして待ち続けているのだ。

店の中で温まったはずの身体も、冷え切って末梢神経が麻痺してしまったかのようにジンジンとする。

身も凍るような寒さの中待ち続けるのはもう限界だった。

/ススム




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -