眉薬 他
LoveSick
卒業後、初めてのシーズンオフを迎えた俺たちは久しぶりに連絡を取り合って待ち合わせた。
さすがにまだ朝早いということもあって、いつも待ち合わせに使っていた公園には誰も居なかった。
ちょっと早く来過ぎたか・・・・。辺りはまだ暗く日も昇っていない。
シーズン中はリーグが違う所為もあってお互いに会う機会が滅多に無かったからな。
テレビではいつも眉村の姿をチェックしていたが、実物に会うのはもう、夏以来になる・・・。
自然とはやる自分の気持ちに苦笑しながら待っていると、懐かしい姿が見えた。
時計の針は待ち合わせの5分前をさしている。
アイツは俺の姿を確認すると、真っ直ぐに走ってきた。
「よぉ。久しぶり」
「悪いな。遅くなって」
「別に。まだ約束の5分前だぜ」
俺がそういうと「そうか」と安心したように呟いた。
会いたくて仕方がなかったはずなのに、いざ本人を前にするとどうしても緊張している自分に気がつき苦笑した。
最下位で残念だったな、とか・・リーグ5位おめでとう、とか。
言いたいことは山ほどあったのに。
生真面目なアイツは挨拶もそこそこに早速準備体操を始めた。
前/ススム