眉薬 他
LoveSick
外は物凄い風が吹いていた。
全国的に天気は大荒れで強風に煽られて負傷したとかそんなニュースが時々聞こえてくる。
「すげぇな。台風並み?」
「あぁ。残念だったな。せっかくの休みが台無しだ」
窓の外を眺めながら眉村が深い溜息を洩らす。
来週から始まる春の選抜の前に、今日は久々に二人でどこか出かけようと約束していた。
だが、こんな天気じゃ外出するどころの話じゃねぇ。
「まぁ、仕方ないだろ。天気ばかりはどうする事もできねぇし」
「そうだな。たまにはこうして部屋でゆっくりするのも悪くない」
とか何とか言いながら眉村はゴロリと寝転がる。
「どうでもいいけど何で膝枕なんだ」
「気にするな。丁度いいところに膝があったからな」
そう言って心地よさそうに目を瞑る。
「あのなぁ……」
俺はお前の枕じゃねぇ! そう言おうとしたが、あまりにも嬉しそうな顔をするから何も言えなくなっちまう。
鼻ヒクヒクさせて嬉しそうにしやがって。
でも、まぁ確かにたまにはこう言うのも悪くないかもしれない。
前/ススム