夕方の練習後俺は、大浴場で湯船に浸かっていた。
周りには仲間たちもかなりいて結構込み合っている。
今日はなぜか入浴剤が入っていて、乳白色に濁っていた。
たまにはこういう風呂も悪くないな。
そう思っていたら、一瞬だけ俺の股間に何かが当たった。
なんだ、誰かの手か?
不思議に思っていると、今度は確実に当たった。
「!!」
誰か、俺の股間を足でグイグイと押してやがる。
一体誰だ!?
俺の近くには、阿久津、渡嘉敷、佐藤、茂野、寺門がいる。
渡嘉敷は距離的に考えて無理がある。
ま、まさか阿久津!? オレが同じピッチャーだから妬んでるのか!?
なんて陰険な。
よし、足掴んでこの場で動かぬ証拠を突きつけてやる!
俺が足を掴もうとした瞬間、するっとその足は逃げた。
阿久津は知らん顔して向こうに行ってしまった。
このヤロウ。今度の壮行試合、絶対にデッドボール食らわしてやる!!
睨みを利かせていると、またオレの股間にやってくる足が!?
今度はなぞるように擦ってくる。
ソレがまた、絶妙に巧い。
なんで足でこんなに器用な真似が出来るんだ!?
今度は誰だ!?
寺門か? みんな悪趣味だな。
俺が寺門を睨み付けると、脅えたような顔をして逃げていった。
けれど、未だに触られてる感触が。
「……っ」
ヤバイ。絶対にヤバイ。
早く犯人を見つけて止めさせないと、完勃ちになってしまう!!
俺が捕まえようとすると、すぐに消えてしまい暫くするとまた刺激を与えられる。
くっそ。足技に勃たされたなんて間抜けすぎて、誰にも言えない。
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