眉薬 他

LoveSick


「あーぁ、めんどくせぇ。何で俺達がんな事しなきゃなんねぇんだ」

部活も終わり、人気のなくなった用具入れで使用したボールを磨きながら、茂野が面倒くさそうに呟いた。

ほんっと面倒くせぇ。

俺達二人が後片付けしてんのも、全部アイツのせいだけどな。

「お前が全て悪いんだろ?」

俺がそういうと、あからさまに意外そうな顔をする。

「エェ〜っ俺のせいかよ」

「お前以外にだれがいるってんだ! このタコ!!!」

茂野が練習中にちょっかい出すから、こうなっちまったんだ!

そう、全て悪いのはコイツ――。

全ての元凶はストレッチの時間に始まった。

偶然となりに並んだのが茂野で、俺達はペアでストレッチすることになった。

最初は普通にアキレス腱を伸ばしたり屈伸したり。

いつもどおりのメニューをこなしていく。

ところが背中を合わせて背筋を伸ばす練習中

どさくさに紛れてケツを触ってきやがった!

最初は偶然手が当たっただけかと思ってたんだが、段々と触る時間が長くなって、明らかに触ってるってわかるくらいだ。

「おい、何のつもりだ!?」

「ん〜? いや、すっげぇカタチのいい尻だなぁと思って」

ニッと笑いながらさらにサワサワと撫でられて、悪寒が走る。

幸い、他の部員たちには気がつかれる事無く、ホッとしていると監督がいきなり抜き打ちで紅白戦をやるとか言い出して、俺は茂野と同じチームに。

しかもスタメンを外されてベンチ組スタート。

「よぉ、残念だったな。スタメン落ちして」

「別に。ウチには部員がたくさんいるからな。いっつも同じヤツがスタメンやってたら他のやつらのスキルアップになんねぇだろ?」

「またまたぁ、悔しいくせに♪」

「ふんッ、悔しくなんかねぇよ。くだらないこと言うな」

大体、たかが練習試合にそこまで思い入れはないし。

隣にどかっと腰を降ろした茂野を大して気に留めることなく、いつしか始まった紅白試合を眺める。


/ススム




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