眉薬 他
LoveSick
月に一度の紅白戦後、薬師寺は阿久津と共に、居残りでボール磨きをしていた。
今日の試合結果が思わしくなかった二人への2軍監督からの罰だ。
(なんで、俺がこんなヤツと残って球磨きなんか)
阿久津にチラリと視線をやり、深いため息をつく。
とてもブルーな気分だった。
「よし、終わった」
やっと開放されると思って、うーんと伸びをすると、前触れも無く阿久津が迫ってきた。
「お、おい! 一体何のつもりだ!?」
「なぁ、お前、好きな奴とかいるのか?」
「関係ないだろ!」
今にもキスされそうなほど近くに顔を近づけられて、思わず仰け反ってしまう。
(ひぃーっ! 助けてくれ! 眉村っ)
心の中でそう思っていると、倉庫に人影が近づいてきた。
前/ススム