眉薬 他
LoveSick
「薬師寺。なぁ、お前なんか思い出した?」
「いや、まだよくわからないんだ」
「ふーん。でもまぁ、そのうちきっと思い出すって」
そう言って肩にポンッと手を添える。
(近寄りすぎだっ! このやろう!!)
それを見ていた眉村は思わず箸をへし折りそうになった。
気が付けば、薬師寺のまわりには阿久津や市原の姿まであり四人でにこやかに談笑している。
薬師寺は眉村のことをどうも避けていて、近づく事が出来ないでいた。
ジッと様子を伺いながら、彼らの会話に耳を傾ける。
「なぁそれより、さっきの話マジなのか?」
「ん? さっきって、何の話だっけ」
薬師寺の問いに、渡嘉敷はなんか言ったっけ? と首を傾げた。
「だ、だから、その……俺、渡嘉敷に……」
困惑顔の彼に、渡嘉敷は先ほど冗談のつもりで言った言葉を思い出。
「ああ! 薬師寺が、俺を無理やり部屋に連れ込んで、××××を、×××××した挙句に××××までしたって話だろ?」
「あ、ああ。で? それってマジなのかよ?」
「俺が、そんな嘘つくと思ってんの!?」
「い、イヤ……よくわからねぇよ」
「ま、事実だからさ、だから責任とって俺と付き合いなよ、薬師寺♪」
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