眉薬 他

LoveSick


ガツンっ

何か硬いものにあたったような気がする。

痛む後頭部を押さえながら、辺りを見回すとそこは見慣れたミーティングルームで、監
督を始め部員達が一斉に俺を見ていた。

なんだ、夢か。

なんだか、物凄く悪い夢を見ていた気分だ(てか、悪い夢だったんだが)

「薬師寺君、珍しいわね。居眠りなんて(しかも大きな寝言)自己管理が出来てない証
拠だわ」

「す、すみません」

「このミーティングが終わったら、私の部屋へ来て頂戴。話があるから」

「はい」

あーぁ。ついてねぇ俺、レポート書けって言われるんだろうな。

俺が憂鬱な気分に浸ってちらりと横に視線を移すと、顎をなんだか痛そうに押さえてい
る眉村がいて、俺は首をかしげた

「どうしたんだよ、虫歯か?」

「お前がうなされてたから、起こそうと思ったら頭突きかまされたんだよ」

「あ"」

さっきのは、眉村だったのか。

むすっとした様子で俺を睨んでくる。

怒ってるよな。

「で? 何の夢見てたんだ?」

「あ!、ソレ俺も知りたい!!」

俺の横で暇そうにしてた茂野も身を乗り出してきた。

「別にたいした夢じゃねぇよ」

「へぇ。健のバカ野郎って叫んでたのに? しかもでけぇ声で。それでもたいした夢じ
ゃねぇのかよ?」

ニヤニヤ笑いながら、茂野は俺を見る。

てか、俺……そんな事叫んでたのか!?

最悪。

じゃぁ、当然。皆聞いたってことだよなぁ。

「どんな夢見たら、俺がバカと呼ばれなきゃいかんのだ」

二人にすごまれて、結局俺はミーティングが終わった後夢の詳細を話して聞かせた。

/ススム




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