眉薬 他
LoveSick
いや確かに、出会て直ぐの頃は宇宙人かも知れないと思ったし、化け物並みの年中発情
期には人間離れしてると思ってたけど……ってか、宇宙人!?
「実はな、今から俺は故郷に帰らなくてはいけなくなったんだ」
「はぁぁ!? 帰るって……どうやって?」
さらに混乱している俺の目の前に突如現れたまぶしい光。
音もなくやってきたのは丸い円盤。……って、UFOかよ!?
その中から、眉村がぞろぞろと出てきた。
うひゃぁ、気持ちわりぃ。
同じ顔したヤツがうじゃうじゃいるぜ。
「お前と離れるのは辛いが、じゃぁな」
そう言って、UFOに乗り込もうとする。
おいっ! ちょっと待てよ!?
なんでそうあっさり、離れられるんだ!?
俺はまだ混乱していて何がなんだかわからねぇ。
かといって、行くなともいえねぇし。
俺が呆然としていると、一旦足を止めて眉村が戻ってきた。
「ああ、そうそう。夕べお前の腹に種を植え付けたから。俺だと思って大事に育てろ
よ」
耳元でそう囁いて、眉村はそのまま光とともに消えていった。
「最後までわけわかんねぇての!! 健のバカ野郎!」
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