眉薬 他
LoveSick
「丁度いい。あれやってくれ」
「アレ?」
くるんと身体を反転させて股間の前に顔がやってくる。
アレって何だ? まさかまたやらしい事してくれってんじゃないだろうな……。
あり得る。 万年発情期のコイツなら何だかんだ言いながら変な事を強要してくる可能性は十分にある。
猫耳付けて奉仕しろだの、おかしなグッズを試してみようだのっていかにも言い出しそうだ。
一抹の不安が過ぎり頬が引きつる。
「その辺にあるだろう?」
「何がだよ」
やや警戒しながら聞き返すと耳を指差しクイクイっとジェスチャーをする。
「……あぁ、なんだ。耳掻きか」
ホッとして近くにある引き出しに手を伸ばす。
耳掻きを手に掴んだ瞬間、眉村の手がツツ……と太腿を撫でた。
「っ! 何するんだ!」
慌てて睨み付けるが、怯むどころかニヤリと口元を緩める。
「ただ当たっただけだ。そこまで過剰反応する必要ないだろう」
当たっただけって……たく、紛らわしいとこに手を置きやがって。
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