眉薬 他
LoveSick
「よぉ、残念だったな」
「……」
試合後玄関前で待ち伏せしてやったら、すっげえ迷惑そうな顔して俺を睨みつけてきやがった。
「なんだよ」
「別に」
「……」
それっきり会話が続かねぇ。
久々に会ったってのになんとなく気まずい。
「久々になんか食いにいかねぇか? どうせこれから暇なんだろ?」
俺がそう尋ねると、眉村はコクリと頷いた。
その日は何もかもが久しぶりで、つい昔に戻っちまったような気分になっていた。
一緒に飯食って、公園のベンチに座っていろんな話して。
時が経つのも忘れちまうほどに、二人でいることが楽しかった。
ふと気がつくと時計の針はもう十時を指していた。
「じゃぁ、俺そろそろ戻るから」
「待て」
慌てて立ち上がった俺の腕を力強く引っ張られて、ヨロッとよろめく
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