眉薬 他
LoveSick
どんどん、先輩が近づいてくるたびに、その鼓動は大きくなって心臓が壊れるんじゃないかってくらいバクバク言ってる。
「清水? 清水だよね」
顔を上げると、あの時と同じ優しい笑顔の先輩がいた。
「先輩、覚えてくれてたんっすか?」
「もちろん」
なんだか、すっごく嬉しい。
けれど幸せな時間はココで終わり。
だってさっきのあの男が、ひょっこり現れたから。
「おーい、寿! って……あれ? コイツ2軍の奴か、寿の知り合い?」
「うん、清水大河。横浜リトルにいたときの後輩なんだ」
「ふーん」
バカにしたような目で僕を見る。
佐藤先輩を名前で呼ぶなんてなんてなれなれしい奴!
思わず、睨みつけてしまった。相手もそれに気がつき威嚇してくる。
「吾郎君。後輩にガン飛ばすのよくないよ」
「はぁっ? ってゆうか、コイツのほうがガン飛ばしてきたんだぞ!」
「なにいってんのさ。清水がそんなことするはず無いだろ?」
僕を庇ってくれる。先輩やっぱりカッコイイ。
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