眉薬 他
LoveSick
上がろうとして、足を引っ掛けられた。
ずるっ
ドボーン
「佐藤っ! なんでこんな嫌がらせ!!」
「眉村、なんで勃ってんだ?」
ハッ! 思いっきり立ち上がって、茂野に見られた。
「たくっ、なに無表情で考えてんだよ。ムッツリだな〜」
「違うッ、これは佐藤が……佐藤のせいで!」
「寿がなんだよ? あっわかったぞ! お前寿が好きなんだろ!?」
ポンっと手をたたいて見当違いのことを言う茂野。
その横で、佐藤はブブッと吹き出して、目にうっすら涙を浮かべている。
激しい誤解をしたまま、茂野は俺に言った。
「お前も、男子ばっかで欲求不満なのはわかるけどよ。男の裸見て喜ぶなよな〜」
違う! 誤解なんだ! 俺は佐藤なんか!
誰がこんな腹黒男なんか!
横目で睨むと、佐藤は笑いすぎて腹を抱えて悶絶してた。
悔しいっ。
とにかく、上がって服を着ないと他に誰かに見られるとまずい。
二人を残して逃げるように大浴場を後にした。
いつか絶対リベンジしてやる!!
おぼえてろよ!! 佐藤っ!
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