眉薬 他
LoveSick
嘘だと、信じたい。
アイツが合コンに喜んで飛びつくなんて有り得ない。
そう思っている自分と、もしかしたら本当に俺に飽きて合コン参加を始めたのかもしれないと考えている自分が居て、俺は悶々と葛藤を続けていた。
「よぉ、何シケた面してんだよ、薬師寺〜!」
「あ、原田さん。……いえ、別に……」
待ち合わせ場所に行くともう既に何人かのメンバーが集まっていた。
色んなチームに声を掛けたらしく結構有名な選手もチラホラ見かける。
……つか、皆案外暇してるんだな。
原田さんに促されるまま指定された店に向かう。
ココに来るまでの間にアイツの姿は無く、俺は心底ホッとしていた。
「結構人数居ますね。俺、別に居なくても良かったんじゃ……」
「ダメなんだよ、今日来る子にお前のファンが何人か居てさ、”薬師寺君が来ないと行かない〜!”とかって言ってて」
「ハハっ……そうなんですか」
確かにさっきからチラチラと女の子に見られている感じはあった。
軽く会釈すると、キャーっと色めき立つ。
はぁ、眉村もいない事がわかったし、帰りてぇ。
適当に話を合わせて、頃合を見計らって帰るか。
席に座りそんなことを考えながらメニューに目を通していたその時――。
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