眉薬 他
LoveSick
「うっわー、お前らラブラブじゃねぇか」
「「!!!」」
唇が触れ合う瞬間、突然声がして飛び上がるほど驚いた。
「し、茂野!!」
「いやー、昼間からあっちぃなぁ、お前ら。俺らよりラブラブじゃねぇ?」
からかい口調の吾郎に、薬師寺は熟れたトマトのように真っ赤になり、口をパクパクさせて声も出ない。
眉村も、自分が今何をしようとしていたのか思いだし、口元を手で覆ってほんのり頬を染めている。
「なに? どうかしたの吾郎君」
そこに、寿也がやってきて、吾郎と二人を順番に見比べる。
「いやー、実はさ」
「わー!!!!!」
吾郎の口を必死に押さえ、湯船にドブっと顔ごと浸しながら、薬師寺は引きつった顔で寿也を見た。
「な、なんでもないんだ。気にするな」
「そうなんだ。それより、吾郎君、そのままだと死んじゃうよ?」
「あっ」
寿也に言われ、慌てて手を離す。
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