「あ、痛っ!」
突然薬師寺が呟いた。
なんだ。どうしたんだ??
「大丈夫か、どうかしたのか?」
おいっ、それは俺のセリフだ!!
隣に座る米倉が声をかけて、俺はタイミングを逃しちまった。
「ちょっと、まつげが目に入ったみたいだ」
「どれ、見せてみろよ」
そう言って、米倉が顔に触れて覗き込む。
くぉらぁっ!!!
顔近づけすぎなんだよ!!!!!!!
ブチッ
俺はもう我慢の限界だ。
こうなったら、ミーティングだろうがなんだろうが関係ない。
「おい、薬師寺! ちょっと来い」
「へっ!? はぁっ? な,なんだよ?」
「いいから来い」
俺は立ち上がり薬師寺の手を引いて、部屋を出た。
「ちょ、なんだ!? どうした!?」
談話室に着いたところで、我慢できなくて壁に思いっきり押し付ける。
わけがわからないといった顔をしてきょとんと俺を見ている視線に堪らず口付けた。
「ん! んんっ」
嫌がる顔を無理やり押さえつけて、苦しくなって少し開いた隙間に舌を絡ませる。
「……は……っ」
何度も何度も口付けて、アイツと唇という器官が繋がっていると思うだけで、おかしくなってしまいそうだ。
吸い付くだけじゃ足らなくて、全てを俺のものにしたくて、喉の奥からこみ上げてくる熱い吐息さえも惜しいほどに深く貪欲に口付ける。
逃げられないように、片足を閉じている足の隙間に割りこませ、シャツの隙間に手を入れた。
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