学校が終わり、夕方僕たちは練習に出るために更衣室で着替えをしていた。
僕たちはいつも一番乗りでグランドでキャッチボールなんかやりながら時間をつぶすことが多いから、僕の気持ちはそっちに集中していた。
着替え終わって、吾郎君と視線が合った。
彼が僅かに笑った気がした。
僕に近づいてきて、突然首に腕をまわして、色っぽい目で僕を見つめてくる。
「ど、どうしたんだい?」
不覚にもドキドキして、思わずどもってしまう。
動揺を隠せない僕に、吾郎君の顔が近づいてきて唇が触れ合った。
それだけなら、まだよかったんだけど僕の口の中に吾郎君の舌が入ってきて、妖艶に動き回ってる。
この積極的な行動。オイシすぎる!
だけど、もうすぐ絶対に誰か来ることは、吾郎君だってわかってるはず。
こんな官能的なキスされたら、僕の理性が持たないよ。
目が合うと潤んだ熱っぽい瞳でまっすぐに僕を見つめ返してきて、僕の心臓がバクバクと早鐘を打ち出した。
そんな目で見つめられたらその気になっちゃうよ。
そんなに襲ってほしいのか?
襲っちゃうよ、本当に。
そんな事を考えてたら、いつの間にか吾郎君の手が僕の股間に!
完璧にその気になってた僕の股間を見て、吾郎君はにやっと笑った。
「こんなとこでなに考えてんだよバーカッ」
そう言って、吾郎君は何食わぬ顔をして更衣室を出て行った。
ハッ! ひょっとして、からかわれた!?
コレだけ僕をその気にさせといて!
許せないないな……。
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