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シン……。とした空間にカリカリカリっと文字を書く音だけが響いている。

吾郎もみなを真似してとりあえずシャーペンを持って教科書を開いているのだが全くといっていいほどノートは白いまま。

吾郎たちの部屋には眉村と薬師寺が来ていて四人でテスト勉強の真っ最中なのだ。

(あ−、わかんねぇっ)

チラリと隣に座る薬師寺を見ると、スラスラと数学の問題を悩むことなく解いている。

それは、眉村や寿也も同様で、吾郎だけが真っ白のままだった。

(ひまだなぁ)

わからないから考えようという意思はなく、もとより勉強など興味もないし、わざわざ学校が終わってからまでやりたくはなかった。

あまりにも暇なので鉛筆を転がしてみたり、クルクル回してみたり。

吾郎の集中力は十分と持たずに切れてしまった。

一度切れてしまうと、今度は暇で暇で仕方がない。



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