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昔から学校は嫌いだった。
退屈な授業、面倒な掃除。
学校に行く目的は野球する事だけ。
野球さえ出来れば、別に学校なんてどうでもいいと思ってた。
「あ! いたいた! 吾郎くん、同じクラスだったよ。よろしく」
爽やかな笑顔で近づいてくる。
たった今見てきたばかりのクラス発表の報告をする寿也は本当に嬉しそうだ。
「へぇ、そうなのか」
「吾郎くん、嬉しくなさそうだね」
俺の態度が気に入らなかったのか、明らかにムッとした表情を見せる。
「ぶっちゃけクラス替えなんか興味ねぇからな。俺は野球さえ出来れば何処のクラスでも一緒だよ」
「……あぁ、そう。そうなんだ」
低く呟くと、さっきまでの嬉しそうな顔から一転し眉を吊り上げ口をへの字に曲げてさっさと行っちまった。
「なんだったんだ? 寿也のヤツ」
寿也の態度が理解出来ずに、俺は去って行った方向を眺めていた。
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