吾郎小説 | ナノ

最近、寿也の様子がおかしい。

練習が終わった後は必ずといっていいほどコソコソとどこかに消えて行ってしまう。

ちょっと前まであんなに俺にべったりだったくせに。

本人に直接聞いても、どうにも的を得ない答えばかりで結局何処で何をやってんのか、わからねぇ。

これは、俗に言う浮気ってやつだな。

と、言うことで今日こそ、その証拠をバッチリ掴むべく、俺は寿也の後を尾行することにした。

練習後着替えを済ませて尾行しようとしたらもう既に寿の姿はなかった。

「おい、寿也の姿見なかったか？」

「佐藤？　さぁ、しらねぇな。」

「トイレじゃないの？」

みんな口々にいろんなことを言う。

ちっくしょう誰かしらねぇのかよ。

「佐藤なら、最近よくトレーニングルームでみかけるでぇ。そこにおるんちゃうか？」

「何！？　本当か、三宅！サンキュ」

沈みかけてた気分が三宅の一言で急浮上。

よっしゃぁ、予定変更！目指すはトレーニングルームだ！