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「アレだよね」

眉村と薬師寺も頷いたため、並んで二手に分かれて乗り込んだ。

ゴトンゴトンッとゴンドラが上に上がってゆくと、薬師寺の隣に眉村は座りなおした。

「キスしても……いいか?」

躊躇いがちに聞かれ、彼は頬を染め俯いた。

肩を抱かれ息がかかるほどに近く顔があって、躊躇いながら首に腕を回す。

唇が触れ合うたびに、ドクンドクンと鼓動が速くなり頬が熱くなる。

何度も何度も唇を重ね、深く口付けると、さすがにドンドンと胸をたたいて抵抗を見せた。

「なんだ」

「なんだじゃねぇよ! お前今、このままスるつもりだっただろう!」

「やはりばれていたか」

「バレバレだ!」

ふぅっとため息をつく眉村に、薬師寺はさっきから太腿付近をさわさわと撫でている手をペチッと叩いた。

「てめぇが俺の太腿触る時はヤりたいって時だろ。俺にはわかってんだよ」

「さすがだな」

「ってゆうか、ほめられても嬉しくねぇし。こういうのは寮に帰ってからやれよ」

「ああ。ってなにぃ!?」

慌てふためく薬師寺をよそに、眉村はニッと楽しそうに笑った。



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