そして日曜日。
四人は電車とバスを乗り継ぎシーパラダイスの門をくぐった。
ここは、遊園地と水族館の複合型施設で一日中楽しめるようになっている。
「よーしっ、今日は目いっぱい遊び倒すぞー!! おい、寿っ、あれ行こうぜ!!」
「えっ!? うん。」
しょっぱなからテンションの高い吾郎は、グイグイと寿也の手を引っ張りゴーカートのほうへ連れてゆく。
眉村たちも後に続いた。
「よぉ、眉村。俺と勝負しようぜ!」
「ふんっ、いいだろう。薬師寺ちゃんと捕まっとけよ」
二人乗りカートに乗り込んだ吾郎は、眉村に勝負を挑んだ。
「捕まっとけってどわわぁっ眉村っ! もっと丁寧な運転しろよ!!」
ギュィィィンとももすごい音を立てて、壁やら吾郎たちのカートに激突して、振り落とされそうになるのを必死に堪える。
「ちょっと、吾郎君! そんなガサツな運転じゃすぐに抜かれちゃうって! もっとコースを計算しないと」
「だぁっ、うるせえ! 俺は俺のやり方があんだよ!」
吾郎達はハンドルさばきのことでギャーギャーと喧嘩をしている。
結局、勝負は眉村のほうが勝利した。
「もう、吾郎君のせいで負けちゃったじゃないか」
「っせぇな、ストレートのコースがなさすぎだったんだよ、あれは」
「おいおい、カートごときで熱くなんなよ二人とも」
薬師寺は声を荒げる二人に呆れた声をあげ、隣でどことなく嬉しそうな表情をしている眉村に苦笑した。
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