以下、寿也と吾郎の会話()内は薬師寺のツッコミ
寿 「コレは」
(『沢庵』を指差す)
吾 「さわまん」
「!?」
吾郎の答えに一同は一瞬凍りついた。
(さわまん? さわまんってなんだ? たくあんだろ??)
寿 「じゃぁ、コレ」
(『雑魚』 を指差す)
吾 「ざつぎょ?」
(あぁまぁ、その辺はしかたねぇか)
寿 「……次はコレ」
(『百済』を指差す)
吾 「ひゃくさい」
(おいっ! そこは日本史でも習っただろ!?)
寿 「…………次は?」
(『極端』を指差す)
吾 「きょくはし」
(まぁまぁ、おしいな)
寿 「………………コレは?」
(『一期一会』を指差す)
吾 「いちきいっかい」
(…………)
部屋の空気がピキッと凍りつき、三人は呆れた顔で吾郎を見つめる。
「吾郎君、君、小学生からやり直したほうがいいよ」
「は? なんだよ。俺、なんか間違ってんのか?」
ぽんっと肩に手をおいて、深いため息をつく寿也に吾郎は首を傾げるしかなかった。
「お前、よくそんなんでうちに受かったなぁ」
「確かにな。奇跡に近い」
これで、得意って、他の教科は一体どんなレベルなんだ!?
深い深いため息とともに、薬師寺と眉村は苦笑するしか他はなく、結局吾郎の勉強は寿也が付きっ切りで教えるハメになったらしい。
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