一行が目的地に到着したのは、既に日が落ちた後。
それぞれの割り当てられた部屋に荷物を置いた後、広い庭園を貸しきっての盛大なパーティが催されていた。
(たくっ、わけわかんねぇんだよ。アイツ)
悶々とした気分のまま食事をしていると、視線の先にいつもと変わらぬ彼の姿。
あれから1週間。試合以外はろくに話す機会も無いまま今日まで来てしまった。
彼は一体なにを考えているのか?
吾郎には皆目見当もつかず、イライラがこみ上げてくる。
「あーっなんかムカつく!」
半ばやけでその辺にあった飲み物に手を伸ばす。
「あ! おい、シゲノそれ、カクテルだぞ」
ロイが気が付いた時には既に遅く、吾郎はグラスに注がれたモノを飲み干した後だった。
「んぁ? 別にいいじゃねぇか、このくらい平気だっつーの!」
「お、おい……シゲノ」
仲間たちが呆然と見つめる中、吾郎は次々と注がれているグラスに手を伸ばし空にしていく。
「おい、何やってんだ! 未成年は飲酒禁止だろうが!」
「うっせーな。わかったよ、飲まなきゃいいんだろ、飲まなきゃ」
慌てて止めに入ったサンダースに、吾郎は渋々とグラスを置いた。
「たく、どつもこいつも……」
「おい、何処に行くんだ?」
「あ? あちーから、散歩してくんだよ」
すっかり酔いが回った吾郎は、ふらふらと歩いてゆく。
「今日のシゲノ、なんか変だな」
「あぁ」
何処からともなくそんな声が聞こえてくる。
気にせず歩いていると、小さな噴水を発見し身を乗り出して中を覗き込む。 |