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「!」

「やっと、二人になれたな」

「あ……。そ、そうだな」

改めてそう言われ、今日の本当の予定を思い出す。

「今から仕切りなおしするか」

握られた手から眉村の温もりが伝わって、鼓動が少しずつ早くなる。

木枯らしの吹きすさぶ道を手を繋いで歩いてゆくと小さな公園に出くわした。

公園内には誰もおらず、ひっそりとしていて俺たちはその一角に腰を降ろした。

夏、沢山生い茂っていた葉は一枚残らず落ちていて、剥き出しになった木々が風に煽られざわざわと音を奏でる。

日は既に西に傾き始め、体感温度も幾分か低く感じるようになった。

「あ、そうだ……忘れないうちに渡しておくぜ」

「?」

不思議そうにしている眉村の手に、用意して来たプレゼントを手渡す。

「コレは?」

「何不思議そうな表情してんだよ。 クリスマスだからな……眉村に似合うんじゃねぇかなーって」

中身は、シックな色合いのマフラーだ。

あまり試合以外で出歩く事も少ないがこの季節の定番といえばやっぱマフラーだろう。

「……フッ」

てっきり喜んでくれるかと思っていたら、鼻で笑われカチンと来た。

「なんだよ、笑うな!」

「あぁ、すまん。 実は俺もプレゼントを用意してきたんだ」

スッと差し出された袋。

中を見てみると、入っていたのは色違いのマフラーだった。

「え? コレ……」

「俺も、お前にはこのマフラーが似合うんじゃないかと思ってたんだ」

「へへっそうかよ。俺たち考える事一緒だったんだな」

自分の手にしたマフラーと眉村に送ったマフラーを見比べて、自然と笑みが零れる。


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