「せーの、眉村とずっと一緒に居れますように!」
「WBCで優勝出来ますように」
「今、なんつった?」
「……」
ヒュルルル〜……と、俺たちの間に冷たい風が吹き抜ける。
つか、WBC!?
この状況でソレは有り得ねぇだろう……。
笑うっきゃない状況に虚しさが込み上げる。
「ハハっ、俺一人で告白大会してやんの。カッコ悪りぃ」
「茂野……」
呆然としている俺の腕を眉村が掴む。
「ちょっなんだよ、離せ!」
「お前、そんなに俺の事を」
グッと腰を引き寄せられ顔が近づいてくる。
つーか!
「なーにシようとしてんだ! 俺よりWBCが大事な癖に! ……っ」
顔を背けようとすると、強引に顎を持ち上げられ唇が触れ合う。
そしてそのまま重力に任せて押し倒されるような形に。
「ん……ふ……俺、怒ってんだけど」
なんで、コイツは嬉しそうな面してるんだ。
睨みつけてる視線を易々と受け止め服の中に冷たい手が侵入しようとしてくる。
「ぅわっ! 馬鹿眉村っ! こんなとこで何サカろうとしてんだよっ!」
「お前が可愛い事言うからだ」
さも当たり前のようにそう囁き首筋に熱い息がかかる。
チュッと吸い付かれ、ゾクリと背筋に電流が走った。
「――っ、俺はっ、怒ってる……って」
洩れそうになる嬌声を堪え、身をよじる。
「……いやなのか?」
目を細め、真っ直ぐに俺を見つめる熱い視線。
その視線に見つめられると、鼓動が早くなってもう何も言えなくなっちまう。
「嫌じゃ……ねぇ」
そっと背中に腕を回すと、図ったかのように唇が降りてくる。
どんなにムカついてても、怒ってててもキスや身体の触れ合い一つで許せてしまう。
俺って重症……かも。
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