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でも、こうやって引っ張られるの……イヤじゃねぇ、カモ。

手の平の熱さが伝わってきてなんだか凄くドキドキする。

ホント強引なやつ……。

「何か言ったか?」

ポツリと呟いた言葉に、眉村が視線だけを投げかけてくる。

「いやっ、何でもねぇ。って、マジで何処まで行く気だよ」

「……」

眉村は答えず、エレベータに乗り込んで屋上階へのボタンを押す。

屋上に一体何があるって言うんだ?

表情からはイマイチ読み取れねぇし、よくわかんねぇ。

「着いたぞ」

「え? ココ?」

視線の先には何の変哲も無い屋上の扉。

その扉の先には広い空間が広がっていてそのど真ん中にレジャーシートやら毛布やらが置いてあった。

「……あのさ、ココでナニするつもりなんだ?」

まさかこんなトコでヤる気じゃねぇだろうな。

一瞬嫌な予感が頭を過ぎり頬が引きつる。

「安心しろ。いきなり襲ったりはしないから」

俺の考えを読んだのか、眉村がクッと笑いレジャーシートのに座って手招きをする。

「いきなりじゃなかったら襲うのかよ……」

「それはお前次第だな」

「おぃっ!!」

さらりと恐ろしい事を口にする眉村は、俺の反応を楽しむかのように鼻で笑い半ば強引に俺の腕を引いた。

「冗談だ」

バランスを崩しかけた俺を抱きとめ耳元で低く囁く。

「ばっ、耳元で囁くなっ」

慌てて耳を押さえ飛びのいた俺を見て眉村がフッと笑みを零した。

なんだか、頬が熱い。

外の夜風はひんやりと冷たいのに顔だけがカッカして動悸も激しい。

「いいから、こっちに来い。誰も見てないしそのままだと風邪を引くぞ」

クイっと服の袖を引っ張られ、仕方なく隣りに座るとふわりと毛布を掛けられた。


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