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「……で、結局こうなるわけか」
ベッドの中から顔を出し、目の前のサイドテーブルに並べられたおせちを見つめる。
「たまにはこう言う自堕落な正月もいいだろう?」
「あのなぁ……」
俺の隣で寝たままおせちに手を伸ばす眉村。
あれから俺達は何度も愛を確かめ合って、正月三が日は、ほとんどベッドの中。
ほんっと自堕落すぎて空笑いしか出てこねぇ。
「いいじゃないか、時差ボケ治っただろ?」
「あ……そういえば、そうだな」
言われて初めて気が付いた。
って……。
「まさかお前最初からこのつもりで……」
「なんだ、不満か? まだ足りないのか?」
顎を持ち上げ視線が絡む。
唇が触れそうなほど近くにあって思わず息を呑んだ。
「嫌じゃなかったんだろう?」
と聞かれたら、返す言葉がない。
「満足してるに決まってるだろ」
恥ずかしいさを隠す為、額にそっと口づけた。
「折角だ……後で初詣にでも行くか」
「ん、そうだな」
視線が交わると自然に唇が重なる。
抱きしめて互いの温もりを感じながら、俺達の正月は過ぎて行った。
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