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「……お前、免許取ったのかすげえな…」

「あぁ。何かと不便だからな……佐藤や薬師寺達も取ったらしいぞ」

「へえ〜、みんな寿也達がねぇ……」

真新しい車の助手席に乗り込み、運転している眉村に視線を送る。

「お前は取らないのか?」

「俺? 俺はそんな暇ねぇよ。 やっとメジャーに上がれたとこだから」

俺がそういうと、「そうか……」とだけ呟いて黙ってしまう。

たおやかに流れるクラッシックの調べは眉村らしさを感じさせる。

「相変わらずクラッシックばかり聞いてんのな。飽きねぇ?」

「いや。特に問題はない」

「ふうん……やっぱお前変わってるよな」

俺の言葉に眉村は鼻をヒクつかせ、僅かに笑った。

変わり者と言われて喜ぶのはコイツくらいだぜ。

「あ、そうそう。俺まだ時差ぼけしてるっぽいから暫く迷惑かけるかもしれねえけどよろしくな」

「時差ぼけか。大丈夫だ、俺が治してやる」

「は?」

やけに自信ありげな様子。

何か秘策があるんだろうか。

「なぁ……それって……」

「着いたぞ」

眉村は「そのうちわかる」と意味深な言葉を放ち、荷物を持ちマンションに向かって歩き出した。


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