5154/154


「えっ、うそ!?」

「嘘吐いてどうすんだよ」

「そりゃそうだけど……で、何を願ったの?」

身を乗り出して興味津々に俺を見つめてくる。

「それはな――」

「それは?」

俺の言葉に耳を傾け、息を詰めるのが手に取るようにわかった。

「内緒だ」

「ぇえ〜っ! なんだよ、それ!」

「お前だって、教えてくれなかったじゃねぇか」

多分、俺と願いは同じだと思うけど……。

――ずっと、側に居られますように――

咄嗟に思いついた願いがそれだった。

月の無い星明りの夜。

伝説の蛍とやらを寿也と拝めただけでも、幸せだと思わなきゃな。

未だにブーブー言っている寿也の手をギュッと握り締め、俺はもう一度幻想的な蛍の群れを見つめた。



*PREV END#

Bookmark


 

List Top

Menuへ戻る


「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -