海堂編

LoveSick


翌日吾郎は、京四郎のことや、昨日の眉村とのことを考えながらボーっとベンチに座っていた。

そこに根元というバッティングピッチャーが現れて、吾郎の監視と教育をするという。

大方英毅にでも言われて来たのだろう。

しぶしぶ、裏方の雑用をしていると今からコジローがバッティングの練習をするという連絡が根元の携帯に入った。

これはもしかしたら京四郎に近づくチャンスかもしれない。

根元の行為に甘えて一緒に着いてゆき、成り行きだったが京四郎と対決することができた。

しかし2打数2安打と完璧に捉えられて、完敗。

「怖くないんだよ。君のボールは」

余裕の笑みを浮かべながらそう言われ、吾郎は愕然とした。

全く歯が立たなかった。

自分の球がバッティングマシーンのような死んだ球だと断言され改めて立ち向かおうとしている壁の大きさに気づかされてしまった。

完璧な制球力を身につければメジャーでも渡り合えるピッチャーになれる。

サンチェスにそうアドバイスされ、その言葉を道しるべに1年間制球力をつける練習をしてきた。

実戦での経験も重ね、メジャーへの確かな手ごたえも感じていた。

だが、メジャーでも超一流の京四郎にあっさり打たれた事で改めて自分の実力を思い知らされた気分になる。

打たれた事にショックを受けて浜辺で座っていると、隣に英毅がやってきた。

「俺もいよいよ変化球覚えなきゃダメかもしんねぇな」

そういうと、英毅は反対してきた。

そもそも、すぐに使えるような変化球が身につくならもうとっくに使ってるだろ。

そう言われ、頭を悩ませる。

英毅の言うとおり、ジャイロボーラーの彼には変化球はすぐに覚えて使いこなせるような代物ではない。

/ススム




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