海堂編

LoveSick


まさか!?

グングン伸びてくる打球に否が応にも期待は高まる。

だが、あと少しと言うところでフェンスに辺りホームランにはならなかった。

記録はライト前ヒット

その間に海堂は2点を先制し会場のボルテージも上がる。

「佐藤先輩カッコイイ」

吾郎の後ろから彩音のうっとりとした声が聞こえてくる。

確かにカッコよく見えた。

今の球はもしかして本当に自分に飛んできたのだろうか?

やっぱりただの偶然か。

吾郎は未だにドキドキしていた。

そういえば海堂に在籍中2軍監督の静香に一軍の試合を見に連れて行ってもらった記憶がある。

彼らは相手の球を自分の狙ったとおりの場所に飛ばすことのできる腕を持っていたことを思い出した。

(ハハッ、まさかな)

次の打席でも、やはり球はライト前に向かって飛んできて今度はフライで捕られてしまった。

いずれの球も、ホームランになる手前で落ちていた。


/ススム



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