鬼畜眼鏡
LoveSick
会議を終えてオフィスに戻るとそこには誰も居なかった。
藤田は外回りにでも出かけているのだろうか?
佐伯は……あいつの事だ、きっと新規の契約を取りに自分で出向いているに違いない。
私も働き過ぎだとよく言われたものだが、アイツは私の倍以上働いている。
しかも一緒に仕事をしてわかったのだが、私達がやりやすいようフォローまでしてくれる。
「全く、よく働くやつだ。 一緒にいる時間なんてほとんどないじゃないか」
一人ごち呟いてそっとデスクに触れてみた。
「ん?」
ふと見ると書類の隙間に何かリボンのようなものが挟まっているのが見えた。
無意識のうちに手が伸びてそれを引っ張る。
すると、それにつられるようにして細長い箱が顔を覗かせた。
なぜこんなところに箱が?
可愛らしい薄い水色の包装紙に包まれたソレは誰かへのプレゼントなのだろうか。
アイツが贈り物を……。
一体誰に?
私に内緒で他に女でも作っているのか。
ふとそんな考えが頭をよぎり胸がざわめく。
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