鬼畜眼鏡
LoveSick
「で、少しは涼しくなった?」
「ダメだ、余計にあちー……」
ベッドの上でぐったりとする本多。
行為後直ぐに窓を開けたけど、汗が噴き出てくるばかりでちっとも涼しくなんかない。
「だから本多の家に行こうって言ったのに」
「ん〜、どうせ俺ん家行ってもヤること一緒だしかわらねぇよ」
「ハハッ、それもそっか」
あっけらかんと言われて妙に納得してしまう自分がなんとなく可笑しい。
別に期待してたとかそう言うわけじゃないんだけど。
「明日、クーラー買いに行かなきゃね」
「そうだな、秋になってきたとは言えまだまだ暑いからな」
どちらかともなく視線が絡み微笑み合う。
「それにしても暑ちーな」
「それを言うなって」
「よし、決めた!」
「ん?」
ガバッと起き上がった本多を思わず目で追う。
「こうなったら、朝が来るまでヤるぞ!」
「はぁあ!? 無理だよそんなの」
「大丈夫だって、体力になら自信あっから!」
グッと親指を立てて鼻息を荒くする。
「オレがそんなにもたないって、本多ぁ」
秋の夜長に情けない声が響く。
あーぁ、明日は起き上がれないかもしれないな。
気合い十分な本多を前に大きな溜息が洩れるのだった。
(終)
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