目が覚めると、キッチンから仄かにいい香りが漂ってくる。
片桐課長と同居して早数か月、あの人は毎日俺より先に起きて立派な朝食を用意してくれていた。
そっと扉を開けると、案の定ブルーのエプロンを付けた片桐さんの姿。
「何を作っているんですか?」
「ぅわっ!?」
肩に顎を乗せて覗き込むと片桐さんの身体が小さく跳ねた。
「酷いな、そんなに驚く事ないじゃないですか」
「す、すみません」
「謝らなくてもいいですよ。それより、美味そうですね……稔さんが」
「……えっ? ぁっ」
スルリとエプロンの隙間から手を入れ身体を弄る。
途端にさっと頬に朱が走り、包丁を持つ手が止まってしまう。
薄い胸板を弄りながら耳に息を吹きかけ、首筋に舌を這わせると鼻から抜ける吐息を洩らした。
「おや? 早くネギを切って下さいよ」
「あ……ごめん。でも……」
「でも、なんですか?」
もぞもぞと腰を押し付けるように動かし始めた片桐さんが熱っぽく潤んだ瞳を向けてくる。
わざと聞いてやると、耳まで真っ赤に染めて俯いてしまった。
「どうしたんですか? 言わなきゃわからないですよ」
ズボンの中に手を入れ、既に自己主張を始めたソレに手を添える。
そのまま緩く扱いてやる。
「ん……ぁ……っ」
熱い自身からは先走りが溢れ下着に小さなシミが広がってゆく。
敏感になった胸の飾りを摘まむと片桐さんは身体を震わせあられもない声を上げた。
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