鬼畜眼鏡

LoveSick


まさかそう切り返されるとは思っていなくて少々面食らってしまった。

「それは?」

佐伯は愉しそうに私の出方を伺っている。

その視線に頬が熱く火照りだす。

「〜〜〜っ、もう、そんな話はいいだろう。そろそろどいてくれないか」

「駄目です。逃げるなんてずるいなぁ、御堂さんは……聞かせてくださいよ。俺の何処を好きになったのか」

余裕の瞳は逃げ場を与えず、長い指先が頬から首、胸元をソロリと撫でる。

「ん……っ」

「やっぱり、身体の相性がよかったんですか?」

「ち、ちがっ! あんな風に私にしておいてよくそんな事が……ぁっ」

首筋に唇を押し当てられ、生暖かい舌の感触が神経を逆撫でする。

爪で敏感な胸を掻かれ痺れるような快感に思わず腰が跳ねた。

「やらしいなぁ、もう腰を浮かして。ここも物欲しそうにヒクヒクしてますよ」

「……んぅっ」

クチュリと卑猥な音が響き細い指先が内部を蹂躙していく。

「君が、そう言う風に仕込んだクセに」

敏感な部分を長い指が掠める度に声が洩れそうになり息を詰める。

「そうでしたね。今ではすっかり俺好みのいやらしい身体になって」

目を細め、舐めるような視線が身体に纏わり付く。

佐伯に見られている。

そう思うだけでも身体が熱くておかしくなってしまいそうだ。

「御堂さん、指だけでこんなになって……もうイきそうじゃないですか」

「は……ぁっそれは君が触るからっ」

「俺が触るとこんな風になるんですか?」

空いていた手で自身を握られ軽く扱かれただけでも強烈な快感の波に襲われる。

「あっぁあっ、佐伯っ!」

途端に頭が真っ白になり、抗う暇も無くあっという間に手の内に白濁を迸らせてしまった。

「御堂さん可愛かったですよ」

射精後の気だるい感覚の中、耳に甘く響く佐伯の声。

その甘さが体の奥に疼きを齎す。

自分でも浅ましい感情だと解っているが一度疼いた身体の熱はそう簡単には引いてくれそうにも無い。

強請るように佐伯の身体に腰を押し付け背中に腕を回した。

/ススム



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