鬼畜眼鏡

LoveSick


「もう、付いてくるなよ」

「いいじゃねぇか。 わかったお前がそこまで言うなら今日は諦める」

やっと諦めてくれたのかと内心ホッとした。

ところが――。

「その代わり、その御堂との付き合いってのに俺も混ぜてくれよなっ」

「はぁっ!?」

名案だとばかりにニッと笑う彼に思わず素っ頓狂な声をあげる。

「ちょっ、そんな事いきなりっ、駄目だよ本多」

「なんで駄目なんだよ。大体なぁ俺の誘いより御堂のほうがいいってのが気にいらねぇ。もう決めちまったからな」

地の果てまでついてきそうな勢いの本多。

言い出したら聞かない性格は本当に厄介だ。

(本多なんか連れていったら、御堂さん怒るだろうな……)

恋人との楽しい週末の予定が音を立てて崩れてゆく。

もうすっかりついていく気満々の彼に気分はどんどん重くなる。

もともと相性がいいとは言えない(むしろ悪い)二人が顔を合わせるのだ。

しかも御堂は二人っきりで過ごせると楽しみにしているに違いない。

そんな中、彼を連れて行けば不機嫌MAX状態になるのは必至。

(うぅ……胃が痛い)

蛇とマングースの戦い並みに恐ろしい光景を想像し胃がキリキリと痛み出す。



/ススム



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