海堂編

LoveSick


「マジで、信じらんねぇ」

眉村のベッドで目を覚ました吾郎は、朝から凹んでいた。

「朝から、何落ち込んでるんだ?」

一足先に起きて、シャワーを済ませた眉村が吾郎の隣に座る。

その顔は、いつものクールな顔ではなく少しばかり緩んでいるように見える。

「お前、いきなり抜かずに三発もヤルなよ。俺、身体ガタガタだぜ」

あぐらをくんで、はぁっとため息をつく。

「仕方がないだろ? やっと吾郎と両思いになれたんだから」

名前を呼ばれなんだか恥ずかしい気持ちになり、思わず布団をかぶる。

「そんなに、照れるな」

「うるせぇよ」

その時、枕元においてある吾郎の携帯が鳴った。

寿也からだ!!

そう思って、慌てて飛び起きて電話を取る。

『吾郎君?』

聞きなれた声が携帯から聞こえてきて、思わず胸が高鳴る。

しかし、次の一言で一気に凍りついた。

『この間のこと謝りたいんだけど、今から家に行ってもいい?』

「え? えっと……それが――。うわっ」

なんと返事をしていいのか迷っていると、急に眉村の腕が腰に巻きついてきてベッドに押し倒される。

「ば、バカ何考えてんだ!? 今電話中……」

寿也に聞こえないように必死にもがくが、抜け出すことが出来ない。

『どうかしたの? 吾郎君?』

「いや、何でもない……っ」

会話を続けようとする吾郎を邪魔するかのように、太腿に唇をつけチュッチュッと吸い付いたり、敏感な部分を攻めたりする。

「……っ」

『吾郎君? そこに誰かいるの……?』

「い、いるわけ……っねえじゃん」

『今どこにいるんだい?』

核心を突いた質問に、ただでさえ頭の中が混乱している吾郎は答える事が出来なかった。



/ススム

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